ImageFX初心者向けプロンプトを実践形式で解説
カメラアングル(視点)の重要性
ImageFXなどの画像生成AIでは、単に被写体を指定するだけでなく、どの角度から見るか(=カメラアングル)をプロンプトに含めることで、画像の印象を大きく変えることができます。自撮り風や一人称(主観)視点を活用するだけで、臨場感あふれる画像が簡単に生成できます。カメラアングルを工夫すれば、イメージの幅は一気に広がり、表現の自由度が格段に上がります。
例えば、人物の後ろ姿、真上からの視点、横顔、下から見上げるアングルなど、あらゆる角度からシーンを描くことができるので、同じ人物でもまったく違った印象を作り出せます。さらに、一人称視点を取り入れれば、「自分が体験している」という没入感を演出できます。
カメラアングル(視点)のプロンプト
カメラアングルについてのプロンプトはたくさんあります。今回は、他のカメラアングルでも共通して使える「selfie shot」と「 close-up」の2つのプロンプトを使用して、カメラアングルについて解説します。
selfie shot(close-up) of + 主語
「selfie shot」と「close-up」などの視点を表現するプロンプトには、後ろに of + 主語を指定しましょう。理由としては、誰や何に対してのクローズアップや自撮りなのかを明確にする必要があるためです。
プロンプト例
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selfie shot
selfie shot of a woman sitting on a bench in a park
まれに、スマホからの視点ではなく、スマホを持って自撮りをしている女性の姿を生成してしまうことがあります。その場合は、「pov(視点)」をプロンプトに追加してください。「pov, selfie shot of a woman sitting on a bench in a park」
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close-up
Close-up of a coffee cup, various dishes on the table
「close-up」は基本的に of + 主語 の形で使えますが、さらに具体的なモノやパーツを後ろに指定することで、より狙った特定の部分にフォーカスを当てた画像が生成できます。たとえば、食卓に並ぶ料理のなかで、コップだけに着目したい場合、「close-up of a cup of coffee」とすることで複数の中からコーヒーカップにフォーカスします。
また、人の場合「face(顔)」と入れることで、目・口・鼻などの細部を強調したリアルで印象的な表現が可能になります。
「selfie shot」や「close-up」を使うときは、その後に of + 主語 や パーツ(部分) を続けることで、誰の何を写したいのかを明確に伝えることができます。このように対象をはっきりさせることで、AIがより意図に沿った画像を出力してくれるようになります。ほかにも、「behind view」や「side view」などの視点を表現するプロンプトも同様です。
どうしてもうまくいかない場合は、生成AIを活用してプロンプトを作成しましょう。詳しいプロンプトの作成方法はこちらの記事で解説しています。
臨場感のあるカメラアングル(視点)
カメラアングルを使えば臨場感のある画像を生成できます。そのためには、「first person view of a man's hands」を指定します。性別は「man's」でも「woman's」でも自由に選べます。「hands」は没入感を高めるための要素です。
「first person view of a man's hands」を使えば、高級車のハンドルを握り、自分が運転しているかのような臨場感のある視点を作り出せます。
プロンプト例
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車を運転しているシーン
first person view of a man's hands, gripping the steering wheel, driving a sports car, mountain road
このようなシンプルなプロンプトであれば、車を運転している主観視点を描くことができます。
プロンプトと解説
プロンプトが複雑になると、意図しない人物が増えたり、手が増えてしまったりと思い通りの画像が生成できなことがあります。
そこで、「山頂から絶景を眺めているシーン」を例に、こうした問題を修正したプロンプトを解説します。
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山頂から絶景を眺めているシーン
first person view of sitting on a mountain peak, looking at a vast valley with snow-capped mountains, holding a water bottle, rocky ground underfoot, vibrant sunset, photorealistic
シンプルなプロンプトの場合は、「first person view of a man's hands」を使用しました。しかし、プロンプトが増えるとAIが間違った認識をしてしまう可能性が高くなります。
原因は of の後ろの a man's が他の人物と認識してしまっているからです。つまり、「first-person view」と「a man's hands」という組み合わせにより、AIが「観察者(自分)」と「第三者(男性)」の両方の手を描いてしまうことがあります。
また、「holding a water bottle」が含まれることによって、第三者の男性が水筒を持っているとAIが認識してしまいます。これを避けるために、あえて人物を指定せずあいまいにして、「of sitting」という形にしています。
重要な部分は「first person view of sitting 」です。
このように、プロンプト内で第三者の男性を明示しないことで、AIが意図していない人物を描写してしまうのを防ぐことができます。
主観視点を描く際は、プロンプト内に第三者(男性)が登場していないかを意識して作成するのがおすすめです。「first person view of a man's hands」もしくは、「first person view of シーンの詳細」をベースに様々なプロンプトを作成してみてください。
スマホの壁紙を作る方法
ImageFXを使用して、スマホの壁紙を作成することもできます。ImageFXはPCやスマホ、タブレットなどで利用することができます。壁紙の作り方はとても簡単で、まずは初期設定を行います。
設定
- アスペクト比を縦向き(9:16)にする(これでスマホ用の縦向きの画像が生成される)
- シード値は外す(ロックしていると毎回類似画像が出力される)
- モデルを最高にする
初期設定を終えたら、あとは画像用のプロンプトを作成して、スマホ用の画像を生成することができます。今回は、カメラアングルのプロンプトを使用した壁紙、月に照らされた狼の遠吠えの壁紙を生成していきます。
プロンプト例
初めに、カメラアングルのプロンプトを用いて画像を生成します。
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夜の都市を飛行しているパイロットの操縦視点シーン
first person view of a pilot man's hands, handling control stick, The city's nightscape is reflected.
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次に、より壁紙風な画像を生成します。
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暗い夜、月明かりに照らされてた一匹の狼が遠吠えをしているシーン
A distant wolf's howling at the edge of the cliff, more detailed in the dark night, illuminated by dim moonlight and swirling aurora. Surrounded by shadowy snow-dusted forests and woods, longer stance, The wolf shape is distant, the background is large.
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ImageFxでは様々な種類の壁紙が生成できるので、みなさんも独自の壁紙を作ってみてください。
使用したプロンプト
日本語 | 英語 |
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近づく | close-up of |
拡大 | macro |
自撮り | selfie shot of |
主観視点 | first-person view of |
プロンプト作成欄
以下のテキスト欄でプロンプトを作成し、ImageFXでいろいろ試してみてください。
注意点と補足
画像生成をする際に、アングル指定をしないとAIがランダムな視点で画像を生成する可能性があります。アングル指定をすることでより理想に近い画像生成が可能になります。
今回は運転手視点のプロンプトで、特定の車のブランド名は使用しませんでした。個人利用の範囲であれば、特定のブランドの車を描写すること自体は可能です。著作権や商標権に関する取り扱いについては、必ずImageFXの利用規約を確認してください。